「あれ、でも確かもっと沢山女子来てたんじゃね……?お前休み時間の度に呼び出されてたじゃんよ。もっとあるだろそれ」
「まぁな……」

頼む。聞くな。そこをつっこむな村木よ。辛い男心を察してくれ。

「俺らんクラスだと加賀だろ、大野だろ、佐伯だろ。あと隣のクラスの橘とその友達も来てたべ」
「お前は俺のストーカーか……。なんでそんな名前まで覚えてるんだよ」

アホのくせに、どうでもいい事だけは良く覚えてやがる。

「だぁって俺なんてどーせ1個ももらえないしねーー。そりゃーアナタ今日何人の男達の恨みを買ったとお思い?夜道には気をつけた方がよくってよ……この色男!」

村木のヘッドロックに俺はうめき声を上げた。

「ちょっ…離せ…このゴリラ……!!」

これだから腕力だけはあるバカは手に負えない。

「怒る対象間違ってるっつーの!あれはみんな俺にじゃねーっつーの!」
「え?何そうなの?」

ギブギブ!と手を叩くとやっと村木の腕がゆるまった。

「はーはーはー、なーるほどねー。読めましたよ。それで友治君はそんなに不機嫌なのねー。そういや後輩まで来てておかしいと思ったんだよねー。友治君帰宅部だし塾にも行ってないのにどーこであんな後輩と知り合ったのかなーって」
「…………」

俺は憮然として黙り込んだ。
くそ、言わなくていいことを言わせやがって……アホ村木。
なんでこの俺が、よりによって潤一の奴に渡すチョコレートをあずからにゃーならんのだ。


「そんなに不機嫌になるぐらいなら引き受けにゃーよかったでしょーに」

俺の心を読むように、村木がつっこむ。くそ、こういう時だけするどい奴め。

「そんなこと言うけどなお前、女子の団結力をなめんなよ……!
あいつら集団で押し掛けやがって、
『友治君は女子の味方だよね……!?私たちのオトメゴコロ、分かってくれるよね……!?』
とか涙目で言われてみろ……!?
おま、断ったら俺の方がヒドイ人呼ばわりされるんだぞ!?」

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